2019年06月20日付

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県内には5040人の民生児童委員がいる。経費が支給されるとはいえ基本的には無給のボランティアで、行政だけでは入り込めない地域のひだのような部分に分け入って、住民の生活や福祉に関する相談に乗り、支援している▼40年近く前のことだが、祖母も民生児童委員を務めていた。祖母の家に子どもを連れた母親が訪ねてきて、保育園入園の手続きをしていた記憶がある。手続きをしながら地域の子どもたちの顔を覚えていったのだろう▼県が18日に発表した初めての「ひきこもり」の実態調査は委員たちの尽力で結果が出た。アンケートの回収率は89・4%に上ったというから、委員たちの熱意の強さがうかがえる。それでも実態を把握しきれたとは言えないことも、結果から見えてくる▼人口当たりの該当者の割合を示す出現率は、町村部0・36%に対して市部は0・16%と開きがある。これは町村部に比べて市部では住民同士の顔の見える関係が薄いことの現れだと県は推測する。また、調査項目のうち、引きこもるに至った経緯や生活困窮の可能性、今後の支援の必要性は3割前後が「分からない」との回答だった▼自由記載の意見も一部公開されているが、最も現場に近い民生児童委員でも「個々のお宅への対応は困難」という声があるのには時代の変化を感じる。行政を含め多方面からあらゆる手段で根気よく手を差し伸べていくしかない。

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