野口健さん招き講演会 茅野市北部中

LINEで送る
Pocket

講演会で八ケ岳への思い入れなどを語る野口さん

茅野市縄文ふるさと大使でアルピニストの野口健さんを講師に招き、中学生が八ケ岳や登山の魅力を学ぶ講演会が19日、同市湖東の北部中学校で初めて開かれた。野口さんは人生初の登頂が八ケ岳だったことに触れ、2度の失敗を経験したエベレスト挑戦を振り返りながら「派手に失敗することで自分に何が足りないのかが分かる」などと語り、成功の意味や友情の大切さを生徒たちに語り掛けた。

野口さんは1973年生まれ。高校入学後に上級生とけんかをして停学処分となり、父親の勧めで旅に出て、冒険家・植村直己さんの本と出合い登山を始めた。人生初の登頂が高校1年のときの冬の天狗岳で、その2日後に7大陸最高峰挑戦を決め、25歳で世界最年少記録を樹立した。エベレストや富士山の清掃登山、環境学校にも取り組む。「この1カ月は毎週、八ケ岳に来ている」という。

野口さんは「人生の分岐点」をテーマに講演。いじめを受けた少年時代や約30年前の天狗岳登山に触れ、「下から見ると山はでかい。本当に登れるのか不安になるが、地道な一歩一歩で気付くと頂上にいる。できないことはないんだと気付き、扉が開いた瞬間だった」と振り返った。エベレスト山頂を目前に撤退し、仲間と死線を乗り越えた経験をたどり、「成功とは何か。登ったら成功か。そんな薄っぺらじゃない。目の前(の結果)が全てではなく、人生を振り返って51%成功ならうまくいったと考えればいい」と指摘。夢を抱くことで背負う苦しみや喜び、自由に伴う孤独や責任があることを熱く語った。

登山については「登頂だけが山じゃない。山には自分と向き合う濃い時間がある。一人では登れない。団体生活で一つの目標に挑戦することで人の苦しみに近付くことができる。学校登山をきっかけに仲間内でも登って。(かけがえのない)濃い人間関係、友情をこの八ケ岳でつくってほしい」と呼び掛けた。

講演会は、著名な野口さんを通じて八ケ岳や地域の魅力に気付いてもらおうと市が初めて企画。今年度から3年間で市内4中学校を巡回する計画だ。北部中では全校生徒314人が聴講し、熱心に野口さんの話に聞き入った。このうち、2年生102人は7月9、10の両日、学校登山で硫黄岳に登るという。

おすすめ情報

PAGE TOP