上川に再び”集団カワウ” 諏訪

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上川右岸の木に集まるカワウ=25日午後6時30分ごろ、諏訪市上川

魚食性鳥類のカワウが、諏訪市上川の上川右岸に生える高さ15メートルほどの木などに再び集まり始めている。県諏訪地域振興局林務課によると、ねぐらとなっているようだが、コロニー(集団営巣地)とはなっていない模様。県水産試験場諏訪支場(下諏訪町)が1月に自然分解されるテープを巻いて寄り付けなくしたが、現在はテープがほとんどなくなった。夕方には多くのカワウが集まり、枝を埋めている。

同支場が1月に行った上川の3カ所の木にテープを巻き付ける実験では、密集していたカワウがいなくなった。風になびくテープの音を嫌い、ねぐらをほかの場所に移したとみられる。テープが見られなくなるにつれ、カワウが目立つようになった。今月14日午前に同課や県鳥獣保護管理員などが行ったカモ類の調査では、上川でカワウを29羽確認した。

夕方になると、さらに多くの個体が木に集まってくる様子が見られる。野鳥の保護と管理を担当する同課、水産資源を担当する同局農政課ともに「現在のところ大きな被害は出ていない。しばらくは状況を見守りたい」としている。

カワウは水辺近くの木をねぐらにし、日中は餌場などで過ごしている。春から夏にかけての繁殖期には集団で営巣する。10年ほど前は上伊那地方の天竜川や支流などに設けたねぐら、コロニーから諏訪湖を目指し、日没前に戻る個体が多かったが、徐々に上川で夜を明かすカワウが増え、昨年末には過密状態となっていた。ねぐらと諏訪湖や周辺河川との距離が近いと、魚を食べる個体数が増え、狩りをする時間も長くなる。同支場は水産資源の保護を目的に、トウモロコシを原料とし、自然界でバクテリアによって分解されるテープをねぐらとなっていた木に巻いた。

一方で林務課によると、テープに対し、「景観的にあまり良くない」とする市民の声もあったという。同支場の星河廣樹研究員は「水産資源の保護の観点からは、繁殖により個体数が一気に増えるコロニーとなることは避けなければならない。繁殖期になると、親鳥はひなの分まで餌を取るので魚の被害は一層大きくなる。現状は緊急的に何かしなければいけない状況ではないかもしれないが、来年の繁殖期に向けてどう対応するかについては、関係機関との検討が必要になるかもしれない」と話している。

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