2019年06月28日付

LINEで送る
Pocket

仕事柄、芸術文化活動を愛好するグループの作品展に足を運ぶ機会が多い。これといった趣味を持たない自分としては、創作活動に寄せるメンバーらの情熱に圧倒されるばかり。何より中心となって活動する高齢者のパワーに驚かされる▼活動のジャンルは絵画、書、音楽、写真、俳句などさまざま。アマチュアとはいえ中には活動歴50年以上の大ベテランも含まれ、生涯学習の分野で耳にする「高齢者の生きがいづくり」の域を超越した猛者にもしばしば出くわす▼超高齢社会を迎える中、高齢者がいきいきと活動できる場の存在は歓迎すべきだが、一方で当事者からは「メンバーの高齢化が課題」といった声も聞かれる。活動の場に若い世代の姿はなく、グループの存続を危ぶむ関係者は多い▼書家の吉澤大淳さん=下諏訪町=は、地域の書道文化を盛り上げる要素として高度成長期に文化教室へ通った女性たちの存在を挙げる。向学心旺盛な彼女らは今も中心的に活動しているが、次の世代に文化を継承していくためにもその先を見据えた「若者の育成」が急務と指摘する▼芸術文化活動を時間やお金に余裕のある人の特権と捉える現役世代も多いだろう。ただ若い世代が余裕を手にしたとしても関心を示すかは懐疑的だ。時間を掛けて人生を豊かにする学びに喜びを感じることができるだろうか。まずはその素養を身に付けることが肝心だと自戒する。

おすすめ情報

PAGE TOP