清らかな水と土で酒米 横山維者舎と宮島酒店

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雨が降る中でほ場の草刈りをする横山維者舎メンバー。宮島酒店と手を組み「酒にしたくなる米」を作っている=6月中旬、伊那市横山

伊那市横山の住民でつくる横山維者舎が、「信濃錦」蔵元の宮島酒店(同市)と手を組み、酒米づくりに取り組んでいる。地区内2カ所・29アールのほ場で「美山錦」を減農薬栽培。横山の清らかな水と土で住民が丹精込めて育てた酒米を同社で醸造し、物語性を持たせて販売する計画だ。メンバーは「酒を通じて横山の豊かさや環境の良さを伝えたい」と意気込んでいる。

横山維者舎は、里山や登山道の整備、地域活性化などに取り組んでおり、地元の鳩吹公園からまきを背負って中央アルプス・将棊頭山を目指すレース「西駒んボッカ」にも毎年協力。宮島酒店とはボッカを通じてつながり、どちらからともなく酒づくりの話が持ち上がった。

ほ場の一つは上流側に田んぼがない場所にあり、清らかな焼巻沢の水を引き込んで栽培する。もう一つは鳩吹公園駐車場の東側。絶滅危惧種のチョウ、ミヤマシジミが生息する地であり、「環境のいい場所でつくる減農薬米。それだけでブランドになる」と自信を見せる。

代かきと田植えを経て、害虫の発生を防ぐ畦畔の草刈りや田の除草作業に汗を流すメンバー。事務局長の小林雅生さん(52)は「皆が横山の集落に誇りを持っている。その思いを稲に伝えたい」と力を込め、「地域の若い人の農や食に対する関心も醸成できればいい」。メンバーの一人、唐木賢治さん(45)は「環境の良さはもちろん、横山での暮らしを楽しむ住民の姿も酒から伝われば」と期待する。

伊那市産の酒米で造る日本酒には、同社が手掛ける荒井の「艶三郎」や西箕輪の「第六天」、農事組合法人山室と仙醸による「やまむろ」などがある。横山でも今後、物語性を持たせて銘柄名などを決めていく考えだ。

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