2019年06月29日付

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学生にスマホなんて必要ない。社会に出てから自分で買えばいい―。以前、定食屋で聞こえてきた50代とおぼしきお父さんの主張。高校に入る息子にねだられ悩んでいるとか。自身は就職後にポケベルを駆使し、30歳でケータイを購入したそうだ▼インターネットは今や社会に不可欠なインフラとなり、技術の進展に伴い教育現場にも「ICT(情報通信技術)教育」の名で活用の波が広がる。文部科学省は公立小中高校などへ3人に1台程度のコンピューター導入を進めてきたが、さらに2025年までに1人1台の環境整備を目指すという▼ICT教育は電子黒板やタブレット端末などを活用し、動画や映像などを使った情報量の多い、分かりやすい授業を受けられるのが特徴。板書やノートを取る手間が省け効率も高まるという。「書いて覚える」世代には隔世の感が強い▼すでに企業などでICT機器は日常的に使われており、学生時代に基本的な知識や操作を身に付けておくのは必須条件になるとの指摘もある。もはや「使えない」では許されない環境になりつつある▼学級や部活動の連絡がスマートフォンアプリで行われている実態や、スマホの学校持ち込みを容認する文科大臣の発言を耳にすると、あのお父さんの形勢は苦しくなるばかりと想像する。せめて心配が少なくなるよう、家庭も含め、情報リテラシーなどネット教育の充実も願いたい。

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