2019年6月30日付

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本格的な夏を前にした今月中旬、下諏訪町にびん付け油の香りが漂った。大相撲荒汐部屋(東京)が合宿を行い、14人の力士たちが訪れたからだ。町内の施設に約2週間宿泊し、小学校の校庭に設けた土俵で連日早朝から稽古に励んだ▼「どんな雰囲気だろうか」と足を運んで見て、迫力に圧倒された。大きな体をぶつけ合う音が響き、激しい息遣いや気合いのこもった声が飛ぶ。稽古とは言っても真剣勝負で緊迫感がすごい。地方では見られない光景だからだろう。連日多くの人が訪れていた▼土俵を下りた力士が見せる和やかな表情が、厳しい稽古と対照的でまた魅力だった。ファンとの写真やサインに気さくに応じる。「お世話になったので」と、合宿終盤に宿舎で開いた交流会では、ちゃんこを振る舞い、地域住民と笑顔で会話をした▼部屋の後援会に町出身者がいたのが縁である。4年前に町内の小学校を力士が訪ねたのを最初に、毎年児童に胸を貸したり、行事に参加してきた。合宿はそうした交流の積み重ね。地域を活気付けてくれる大きな財産と言っていい▼蒼国来関や若隆景関。そして上を目指す若い力士たち。近づいた名古屋場所の番付表には、見知った荒汐部屋の面々が並ぶ。聞けば、下諏訪での合宿は来年以降も行う方向という。あのびん付け油の甘い香りにまた出合えるのを楽しみに、まずは絆が深まった地から熱烈な応援をしたい。

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