南アルプス開拓者に感謝 北沢峠で長衛祭

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長衛翁のレリーフに献花し登山の安全を祈る参加者

南アルプスの開拓者、竹澤長衛翁の遺徳をしのぶ「第61回長衛祭」(同実行委員会主催)の碑前祭は29日、伊那市長谷と山梨県南アルプス市境の北沢峠(標高2032メートル)で開いた。両市や山岳関係者、登山者ら約150人が出席。南ア登山の礎を築いた長衛に感謝しながら、本格化する夏山登山の安全も祈願した。

長衛(1889~1958年)は黒河内村(現伊那市長谷)生まれ。父親の山仕事を手伝う傍ら、14歳の頃から山案内を始めた。成人してからは猟師と山案内を生業とし、仙丈ケ岳を一般登山者にも登れるようにと、登山道を開墾。自費で山小屋「長衛小屋」を建設し、南アルプス登山の基地とした。

長衛の死後半年ほどで、親交のあった人たちが長衛小屋の近くの大岩に長衛の姿を刻んだレリーフを設置。長衛祭は翌年から毎年、そのレリーフの前で行われている。式典では伊那市長谷小学校と南アルプス市芦安小学校の児童合わせて22人が、南アルプスカルテットが奏でる弦楽四重奏の伴奏で童謡「ふるさと」を合唱。参加者がレリーフに長谷産のアルストロメリアを手向けた。

実行委員会の唐木真澄委員長は「令和になり、最初の長衛祭。気持ちを新たに、山と謙虚に向かい合った長衛翁を思い返し、山を大切にしてほしい」とあいさつ。大会長の白鳥孝伊那市長は「私たちが当たり前に自然に親しみ、登山を楽しめるのも、長衛翁の取り組みと志を引き継いだ先人のおかげ。長衛翁が夢見た『安心して登山できる南アルプス』の環境整備に努めることを碑前に誓う」と祭文を読み上げた。

式典後にはイノシシやシカの肉が入った「成敗汁」が参加者に振る舞われ、仙水峠トレッキングも行われた。30日には駒ケ岳記念登山が予定されている。

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