5羽のライチョウふ化 中アで57年ぶり

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松本市と岐阜県高山市にまたがる乗鞍岳から運んだライチョウの有精卵を、中央アルプス駒ケ岳に生息する雌の親鳥に抱かせて繁殖につなげる取り組みを進めている環境省と県環境保全研究所などは1日、先月から抱かせている卵を確認する調査を行った。卵計6個のうち5個がふ化したことを確かめた。同省によると、中アでの記録に残るライチョウ繁殖の最終年は1962年ごろで、今回57年ぶりの再繁殖を確認した。

同省によると、有精卵を置いた巣は駒ケ岳山頂付近のハイマツ地帯にあり、調査では巣の中に、ほぼ半分に割れた卵の殻5個とふ化できずに放置された卵1個があった。調査員が巣の付近で耳を澄ますと、「ピーピー」と3羽のひなが母鳥を呼ぶ鳴き声が聞こえたという。母鳥はひな5羽を連れて巣から5メートルほど離れた深いハイマツ帯に身を隠しているとみられている。

駒ケ岳山頂付近には5年ほど前からライチョウの雌1羽が生息。少なくとも昨年、一昨年は無精卵を産んで抱卵活動を行った形跡があり、ライチョウに詳しい中村浩志信州大学名誉教授が先月8日、乗鞍岳に生息する2つがいから各3個の計6個を採取し、駒ケ岳にある雌鳥の巣の無精卵と入れ替えていた。

ライチョウは2日間に1卵ずつ計6~8個の卵を産み、全ての卵がそろった時点で抱卵を始める。多くが22日間でふ化するという。

調査に当たった環境省信越自然環境事務所の福田真さん(36)は「ひなは6月30日午後から1日午前にふ化した可能性が高い」とし、「今後は餌となるコケモモやガンコウランなどの植生調査やキツネやテンなどライチョウを捕食する動物の生息調査を行い、ふ化したひなが生き延びるための対策を講じたい」と話していた。

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