ライチョウひな全滅か 中アでふ化した5羽

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環境省は11日、中央アルプスで57年ぶりに繁殖したライチョウの家族確認調査を行った。雌の親鳥1羽を確認したものの、6月30日から7月1日にふ化したと見られるひな5羽は認められず、同省は「悪天候による衰弱死か、キツネやテンなどの天敵による捕食で5羽とも死亡したと考えられる」と発表した。

調査は同日朝から調査員4人で実施。母鳥は午前10時48分、卵をかえした巣から400メートル離れた駒ケ岳山頂の北斜面で発見した。餌を食べ、羽づくろいをしていたという。一方で、ひなは5羽とも見つからなかった。同省によると子育て中の親鳥は、ひなの5メートル圏内にいることが多いが、この日の調査では30分間母鳥を観察しても、ひなの元へ戻る様子はなかったという。

同省信越自然環境事務所野生生物課の福田真自然保護官は、ひなが全滅したとみられる判断について「一つはふ化後の天候が非常に悪く、低温でひなを育てる環境が悪かったこと。もう一つは生育域で天敵のふんが見つかっており、ひなが食べられた可能性が高い」と推測した。

駒ケ岳山頂では約5年前から成鳥(雌)1羽の生息を確認。先月8日にはライチョウに詳しい中村浩志信州大学名誉教授の助言を受けて乗鞍岳から運んだ有精卵を中アの雌鳥に抱かせ、卵6個のうち5個のふ化を確認した。

同省は今後、8月に中村教授を交えて駒ケ岳周辺の調査を実施する計画。「中アでのライチョウ繁殖活動は今後も続ける方針。今回、悪天候や捕食者が起因する全滅が分かったので、今後はふ化間もないひなを守る対策を検討したい」と述べた。具体的にはひなを保護するケージの導入や天敵を高山帯から除去する対策を視野に入れる。このほか「中アの駒ケ岳以外の生育適地を探したい」としている。

福田自然保護官は「ひなの全滅は想定していたが、実際になるとかなり残念」とも話した。

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