諏訪の絹着物づくり 今年は純諏訪産に挑む

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木綿の袋に入った純白の繭。(左から)やまだの先代、山田恒さん、山田敦子店主、牛山金一さん

諏訪産の蚕糸で純国産着物を作る「諏訪の絹」プロジェクトは12日、諏訪地方唯一の養蚕農家、牛山金一さん(68)=茅野市金沢=が育てた春蚕の繭の出荷を行い、8年目の着物作りをスタートした。今年は全ての工程を諏訪地方で行う「純諏訪産」の着物に初挑戦する。販売開始は来年2月の予定。

牛山さんの繭を下諏訪町の「松澤製糸所」が生糸にし、諏訪市の呉服店「染と織やまだ」が着物に仕上げる取り組み。今年は、岡谷市の「宮坂製糸所」と「岡谷絹工房」が加わり、初めて諏訪地域で完結する生産体制が整った。

松澤製糸所の自動繰糸機でたて糸を、宮坂製糸所の座繰器で横糸をそれぞれ作り、岡谷絹工房の草木染と手織りで反物にする。草木染の原料となる山桜、白樺、リンドウ、リンゴも地元産にこだわり、節糸の風合いを生かした紬に仕上げるという。

春蚕の飼育は6月上旬に始まり、約5万匹を育てた。凍霜害や長雨で餌となる桑に被害が出たが、「小ぶりだが締まりの良い繭ができた」と牛山さん。12日は、茅野市金沢の「上簇室」(カイコが繭になる部屋)で、JA信州諏訪職員が繭の重さを計測し、総量約90キロが「上繭」として出荷された。

最終的には5、6反の反物になる見込みで、このうち4反を「純諏訪産着物」にする。残りは滋賀県長浜市で白生地の反物にし、京都で染色する。手描き友禅で諏訪湖の花火や霧ケ峰、ニッコウキスゲなど諏訪の風景や花をあしらった柄に仕上げていく。

やまだの山田敦子店主(54)は「純国産の着物作りが完結できるのは諏訪地方だけ。お客さまに自信を持ってお勧めできる高い品質もある。小さい力だが続けていくことで、地域の産業と文化を守っていきたい」と話している。

問い合わせは、同店(電話0266・58・0694)へ。

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