駒ケ根の観成園 地域開放へ本腰

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社会福祉法人伊南福祉会が運営する駒ケ根市北割一区の特別養護老人ホーム・観成園(紫芝守園長)は、施設と地域の一体化を目指す地域開放の取り組みに本格着手した。日常的に地域住民に足を運んでもらう環境をつくり、多様な交流の機会を増やすことで利用者の生活の質を向上させる狙い。具体的な指針を示す実施計画を策定し、着実な推進を図りたい考えだ。

同施設は昨年度末現在で、上伊那地方の107人が入所。平均年齢は88・7歳。8割近くが介助が必要なため外出の機会が少なく、人との関わりが限定されてしまうことが課題となっている。

現在、市内外の七つのボランティアグループがそれぞれ月1回程度の割合で訪問し、お茶や生け花などの教室を開いているほか、近くの北割保育園の園児が年2回訪れている。こうした交流は利用者の楽しみになっているといい、「自宅にいれば地域との関わりは普通のこと。より在宅に近い環境を提供したい」と、昨年末から本格的に地域開放の検討を始めた。

また、施設で働く職員の数は基準を満たしているが、「業務に手いっぱいで余裕がない状態」(同施設)。利用者に向き合う時間を増やすためにも、地域開放により簡単な作業や利用者支援を手伝ってくれるボランティアを確保したいとの願いもある。

実施計画の素案では、「観成園が地域、地域が観成園」をスローガンに、施設内にいつでも地域住民やボランティアがいる状況を理想に掲げる。これまでに施設内にプロジェクトチームを設置し、職員の意識の共有や合意形成に取り組み始めた。

今後、地域開放に向けた課題を洗い出し、住民受け入れのルールづくりや職員の役割分担、具体的な方法などを構築して実施計画に盛り込んでいく。計画策定後は地域に積極的に情報を発信し、数年かけて定着させたい考えだ。

同施設は毎月第2・第4土曜日に喫茶店「よってかし」を開き、一般に開放している。現状では来店客は利用者の家族が中心だが、この喫茶店を足掛かりに、地域の集会への大会議室開放や一般市民の作品を展示するギャラリーの設置など、さまざまな可能性を模索していく。

実施計画策定を担当する主任生活指導員の小出健一さん(38)は「多様な人との関わりが利用者の刺激や張り合いになり、心が満たされることで生活の質の向上につながる。施設の垣根を取り払い、入所者も地域の一員として生活していける環境を整えていきたい」としている。

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