2016年06月29日付

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田植えから1カ月半ほどになるだろうか。残雪の中央アルプスを映し出していた田んぼが、すっかり緑色に変わった。端から端まで見通せていた条間が埋まり、今、イネは風に吹かれて波打っている▼山の上から眺めると、伊那谷は青々としていた。刈り取りが終盤を迎えている麦畑の黄金色がパッチワークのようにちりばめられてはいるが、圧倒的な緑を見ると、コメが主力産物なんだと改めて思う。優良な農地をいつまでも残していってほしいものだ▼1000ヘクタール環境共生農場づくりを進める飯島町営農センターが、環境共生栽培の度合いに応じて一つ星~三つ星の認証表示をしたブランド農産物を売り出す準備を進めている。農地を守り、新たな農業農村をつくる施策の一つだと聞いた。安全安心米の販路確保のため、まずは町内で使ってもらい、地産地消を進める計画という▼町の農業には担い手のほぼ4割が75歳以上という現実があった。5年後、10年後にどういう状態になるのかは容易に予想できた。農家に10年後の農業経営を尋ねると、34%から「やめたい」という答えが返ってきた。コメのブランド化と需要に見合った作付け、地産地消に活路を求めざるを得なかった▼似たような状況はどこにでもありそうだ。コメ政策の大転換に、就農意欲のある農業者の全員参加による組織営農で対応しようとする飯島町の挑戦に注目してみたい。

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