2019年8月10日付

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先日、食べ放題のランチビュッフェに出掛けた。パスタ、ピザ、すし、サラダ、スイーツに定番のカレー。抱負な品ぞろえに心踊らされてついつい食べ過ぎてしまい、体調を崩す結果に。何度も繰り返してきた失敗だが、自制心が働かない自分自身に驚かされた▼さまざまな料理の中から気に入ったものを選び、自由に味わえるのがビュッフェの醍醐味。その満足感こそが最大の魅力といえる。ただ料金は決して安くない。「元を取ってやろう」という卑しい考えが、賢明な判断を鈍らせる▼経済学ではこのような状況の分析にサンクコスト(埋没費用)という言葉が用いられる。取り返すことができないお金や時間などを示すもので、元に戻らないコストに執着し過ぎると、合理的な意思決定ができなくなるという▼世の中には「~放題」という魅惑的な言葉が溢れている。改めてサンクコストに目を向けると、ビュッフェにとどまらず、歌い放題のカラオケボックスで喉を痛めたり、飲み放題の居酒屋で深酒した経験など、数々の失敗が思い起こされる。元を取ったつもりでいたが、結果的に有意義な時間を過ごせたとは言い難い▼何をもって満足とするか。費やしたお金や時間を完全に無視することはできないまでも、適切な量を適切な時間内に楽しむ意識を持つことで、後悔と自己嫌悪は避けられそうだ。人に自制を説くよりも、まずは自省から。

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