2019年8月17日付

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おとといの15日は終戦記念日。8月に入ると各地で平和を願う行事が行われ、この日に向けて新聞紙面にも関係する記事が増える▼県立歴史館の開館25周年展に「赤羽刀」が展示されている。終戦後、連合国最高司令官総司令部(GHQ)は武装解除の一環で全国に刀剣類の提出を命じた。集められた刀剣類は投棄されたり海外に流出したりしたが、他にかなりの量が東京都北区赤羽にあった米軍の倉庫に保管され「赤羽刀」と呼ばれた▼1947年、このうち美術的価値の高い約5500口が日本に返還され、元の持ち主へ戻されることとなった。しかし4500口余は所有者不明で東京国立博物館の収蔵庫に眠ったまま。戦後50年の95年になって公立博物館に無償譲渡される法律が整備されたことで、県立歴史館にも13口が収められた▼現在、同館で展示されているのは高島藩の刀工が制作した刀や脇差など4口。武器として作られながらも美術品として評価されたがゆえに、米軍と国立博物館を経て再び故郷へ戻ってきた。「数奇な運命」と展示解説では表現する▼今回の展示は県立歴史館の名品を紹介する企画。戦争について学ぶつもりで訪れたわけではなかったので、こんなところにも影響が及んでいたのかと不意を突かれた。終戦記念日を過ぎると戦争について考える機会は減りがちになる。赤羽刀のエピソードも自省を込めて紹介したいと考えた。

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