2019年8月21日付

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お盆中、いくつかの市町村で成人式が開かれた。進学などで県外にいる若者も顔をそろえる。そんな機会を捉えUターンを呼び掛ける自治体もあった▼地域を担う人材の確保が課題となる中、各市町村はUターンに力を入れる。しかし、就職情報大手マイナビが5月に発表した2020年卒業予定の大学生のUターン・地元就職に関する調査によると、地元就職希望率は全国平均で49・8%。調査を始めた12年卒と比べ13・5ポイント減。初めて5割を下回った▼地元への就職活動で最も障害に感じていることは「交通費」。次いで「距離・時間」が続いた。これらは政策的に解決できる問題かもしれない▼気になったのはその次の「やりたい仕事がない」である。今の仕事を天職だと思っている人がどれほどいるだろうか。解剖学者の養老孟司さんは著書「超バカの壁」で仕事とは「社会に空いた穴」という。「そのまま放っておくとみんなが転んで困るから、そこを埋めてみる。ともかく目の前の穴を埋める」。そうしているうちに自分が埋めるべき穴が見つかるのだと。就職がゴールではないのである▼ある高校の進路指導の先生が言っていたことを思い出す。「生徒も保護者も大手志向が根強く、就職というより”就社”になっている」。だからなかなか地方に目が向かないし、「やりたい仕事がない」となる。こうした意識をどう変えていくかが課題だろう。

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