無菌室でアツモリソウ播種 上農高生が作業

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無菌室内でアツモリソウの播種作業をする生徒たち

美ケ原高原のアツモリソウ保護回復事業に参画する上伊那農業高校(南箕輪村)は21日、人工授粉を経て19日に自生地で採取したさやを校内の無菌室で割り、培地瓶の中に種をまく無菌播種の作業を進めた。植物科学コースの3年生とバイテク班の計7人が無菌室に入り、発芽して苗に育つことを願いながら手を動かした。

学校に持ち帰ったのは3株のさやで、端をピンセットでつまみ、培地瓶の中に慎重に種を入れていった。有賀美保子教諭や生徒によると、花粉を別の花の柱頭につける「他家授粉」をした2株のうちの1株は、直径4センチほどのさやをつけていて「種子の状態も特に良かった」という。

3年生でバイテク班に所属する竹村由伸さんは「一つの失敗も許されない作業で緊張した」と振り返り、「播種ができても、順調に育つ確率はまだ低い。枯死せずに成長していく確率を高めたい」と意欲を見せていた。

アツモリソウはラン科の植物で、絶滅危惧種に指定されている。中部森林管理局と県によると、美ケ原にはかつて60株ほど自生していたが、乱獲やシカの食害などによって激減。次第に回復するが、毎年15株ほどにとどまる。

同校は3年前から事業に参加し、無菌培養に着手。これまでの活動で、芽の元とされる細胞の塊・プロトコームの形成から、芽や根の出現まで至っており、苗の作製に近づいている。この日は根の長さが2センチ以上になった個体を公開した。

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