イースタンが韓国企業傘下に シムテック社と資本提携

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シムテック社との資本提携を発表するイースタンの中桐前社長(右)と前田新社長

シムテック社との資本提携を発表するイースタンの中桐前社長(右)と前田新社長

半導体パッケージ基板など製造のイースタン(茅野市塚原)は29日、韓国に本社のある半導体パッケージ基板製造のシムテック社と資本提携すると発表した。イースタンは事実上、シムテックグループの傘下に入り、シムテック社の支援を受けて経営立て直しを進め、事業の継続と成長を目指す。提携に伴い、同日付で中桐則昭社長が副社長に就き、新社長にシムテックジャパン取締役の前田富司(とみじ)氏(65)が就任した。社名の変更はなく、雇用も現状を維持する。

資本提携は、シムテック社の関係会社を割当先とする募集株式の発行と自己株式処分を行う。募集株式は793万5800株、処分する自己株式は206万4200株で、いずれも1株100円で同関係会社が引き受け、近日中に払い込みが行われる。シムテックグループは議決権の約70%となるイースタンの株式を保有し、筆頭株主となる。資本提携、新役員体制ともに、同日開いたイースタンの定時株主総会で承認した。

イースタンによると、シムテック社は1987年設立で、2015年12月期の売上高は653億9000万円。メモリー向けパッケージ基板では世界最大手という。

一方、イースタンは受注の変動が激しい半導体市場を背景に、厳しい経営環境が続いている。同日発表した16年3月期決算は、売上高が前期比24.4%減の177億2600万円で、純損失24億1600万円の赤字を計上した。パワーシステム事業は堅調だったものの、主力のパッケージ基板事業は主要取引先との間で発生した品質問題の解決が長引いたことなどで受注が落ち込んだ。

中桐前社長は、業績改善のためには大きな手立てが必要とし、「単独では難しい。生き残っていくためには強い相手と組むしかない」と、シムテック社と昨年夏ごろから協議を重ねてきたことを説明した。提携により、両社の技術の共有を推進するほか、原材料調達を共通化して生産コストの削減を進め、販路の拡大と営業力の強化も図る。

中桐前社長は「シムテック社は創業以来30年間、人を切ったことがない。事業の継続と雇用の維持を最優先に判断した」と述べた。前田新社長は「コスト的にも品質的にも満足のいくイースタンのDNAを引き出し、イースタンに頼んで良かったとお客さんに言ってもらえるようにしたい」と抱負を語った。

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