2019年8月26日付

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8月というと、ユウガオの味が恋しくなる。夏の暑さを忘れさせてくれるようなつるっとした歯応えと、切れのいい果肉。子どもの頃、ミョウガなどの薬味が浮かぶユウガオの汁が並べば、夏のごちそうだった▼そんな食べ物を味わえる催しが26日、下諏訪町である。題名があるわけではないけれど、言えば「路地とユウガオの風情を楽しむ会」。諏訪大社下社秋宮近くにある「蔵道」と呼ばれる路地の周辺を参加者に歩いてもらった後、汁を振る舞う▼俳優の小沢昭一さんが生前、周辺を散策して詠んだ俳句〈夕顔や/ろじそれぞれの/物がたり〉に由来する。住民が俳句の趣にふさわしい景観にしようと、蔵道に立つ句碑の脇に苗を植えて育てた。実りを使って有志の「下諏訪の路地を歩く会」が初の催しとして企画した▼句碑の存在を知ったり、ユウガオの味を楽しみ、小沢さんに代表される粋人たちが愛した下諏訪の良さを知ってもらう趣旨だそうだ。毎年夏の終わりの恒例行事として、地域の魅力を発信する場になれば―。関係者の思いは膨らむ▼昔懐かしい伝統の夏の味。最近はスーパーなどで見かける機会も少なくなった。きっと料理を楽しむ家庭も減っているだろう。26日はひき肉と一緒に薄味で煮つける定番料理で提供するという。地域の魅力とともに郷土の味に親しむ場にもなるといい。当日は午後1時、秋宮前に集合。誰でも参加できる。

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