里山保全で防災・減災 06年7月豪雨災害から学ぶ

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県は6月30日、諏訪湖周に甚大な被害をもたらした2006年7月の豪雨災害の教訓を振り返り、森林の防災・減災を考える講座「豪雨災害から10年 里山の復興と未来」を諏訪市内で開いた。森林・林業関係者や一般住民ら約130人が参加。被災箇所の調査に携わったり、地域を挙げて復興に取り組んだりした2人の講師から、山腹崩壊の発生要因や森林の適正管理の必要性を学び、災害に強い里山づくりへの誓いを新たにした。

県林業総合センターの元所長で、災害後に県が設置した森林の土砂災害防止機能に関する検討委メンバーだった片倉正行さん=岡谷市=は、同市湊~川岸で起きた土石流の発生要因を解説。水の通りやすい層の下に透水性の悪い層があり、表層土が水分飽和していたところに大量の地下水が噴き出し「引き金」になったと説明した。

人工林の手入れ不足を災害教訓に挙げたが、カラマツについては、引き倒し実験の結果から「土砂災害防止機能に劣る樹種ではない。適正な間伐が行われれば、根は太く長くなる」と強調。その上でコナラなど根張りのより強い樹種を山地の弱点(崩れやすい場所)に入れ、適地適木や針葉樹との混交で災害に強くする必要性を説いた。

06年当時、岡谷市花岡区長だった小口ひろ明さんは、「災害の芽」が再び出ないよう区を挙げて復興と里山づくりを進めたと報告。「西山里山の会」を設立し、山に異常がないかを点検するパトロールを継続していると伝え「山林所有者だけでなく力を合わせることが大事。地域を挙げた里山づくりが広がれば、防ぐことのできる災害もある」と話した。

県の担当者は、「航空レーザー測量」を基にした地形図などで、山地災害の危険箇所を把握する手法を紹介。地域力と技術力を組み合わせた里山保全を提案した。3人は里山に関心を持ち、里山を知ることが防災・減災対策の第一歩になると口をそろえた。

豪雨災害では7月19日までの3日間の累積雨量が釜口水門で400ミリに達した。諏訪地方事務所によると、山腹崩壊・荒廃渓流面積は岡谷、諏訪、茅野、下諏訪の4市町で計12・68ヘクタールとなり、被害額は18億円に上った。

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