2019年09月07日付

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スマホで重機の操作を体験できる訓練アプリが人気を集めていると聞く。安全に配慮しながら重機を操作する本格的なシミュレーターで、人材不足に危機感を抱く建設業者の発案で製品化したとか。オペレーターの技術継承にも一役買っているようだ▼人口減少が進む中、人材の確保はさまざまな分野で共通の課題と言える。製造業を基幹産業とする岡谷市で4月末に行われた景気動向調査でも経営上の問題点として最多の回答が「人手不足・求人難」。培った技術や技能をいかに継承していくか、各企業とも頭を悩ませている▼2005年6月、木曽郡上松町の国有林で伊勢神宮の御用材を切り出す「御杣始祭」を取材した。20年ごとに社殿を建て替える式年遷宮に向けた厳かな儀式で杣人が「三ツ紐切り」と呼ばれる伝統的な手法でヒノキの大木を伐倒。その後の社殿造営を含め、職人たちの技術継承の機会にもなっている▼1300年以上にわたり続く式年遷宮。定期的に若手を育成し、用材の切り出し場所や運搬方法など時代に合った変化も取り入れながら伝統をつないできた。そのシステムは人口減少が進む現代でも有用だろう▼定期的な更新といえば選挙。まちづくりを技術や伝統に例えるなら首長は未来を紡ぐ職人といったところだ。諏訪地域の市町村の首長選では無投票が続いている。地方政治を担う人材の育成もまた急務に思えてならない。

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