景況感1年ぶり改善傾向 日銀松本支店短観

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日銀松本支店が7月1日発表した6月の県内企業短期経済観測調査(短観)によると、中国をはじめとする新興国経済の減速にいったん歯止めがかかったことから、企業の景況感を示す業況判断指数は全産業で前回3月調査から2ポイント改善しマイナス6となった。昨年6月以来1年ぶりの改善傾向で、3カ月後の先行きでは公共工事の減少懸念などから3ポイント悪化のマイナス9を見込んだ。

短観結果を踏まえた県内の金融経済動向(月例調査)も同時に発表した。製造業が改善となった一方で非製造業は悪化したことから、県内全体の景気判断は前回6月の「一部に弱めの動きがみられるものの、緩やかに回復している」を、3カ月連続で据え置いた。

調査は5月30日から6月30日までの1カ月間で実施。イギリスがEU(欧州連合)を離脱する住民投票結果が出た6月24日前に、ほとんどの企業から回答を得ていたため、その後の急激な株価下落は反映していない。一方、円高に関しては相応に組み込まれた回答内容としている。

県内短観によると、製造業は前回調査から6ポイント上昇のマイナス9。設備投資の鈍化で受注環境が悪化した業務用機械以外は全て改善した。電気機械ではスマートフォンを中心に中国での在庫調整も進み需要が持ち直している。自動車など輸送用機械では国内と北米の受注が上向いた。先行きは、イギリスのEU離脱も含め不透明感を挙げる企業が多く2ポイント悪化の見通し。

非製造業は、建設と小売りの中心業態で大きく悪化。高水準で動いていた公共工事が減少し、燃費不正問題や工場事故の生産遅れで自動車販売に影響が出ている。一方、大河ドラマ「真田丸」人気に伴い東北信で宿泊客が増加。全体では3ポイント悪化のマイナス3にとどまった。先行きは、公共工事の一層の減少も懸念され5ポイントの悪化を見込んでいる。

岡本宜樹支店長は、「新興国経済の減速にいったん歯止めが掛かったのは非常に心強い」としながらも「先行きの回復感は強くない」と分析。新たな懸念材料となったイギリスのEU離脱、個人消費で小売りが弱含んでいることなども指摘し「マイナス金利政策などもあるが、今後とも前向きな循環が続くのか注視したい」と述べた。

調査は3カ月ごとに行い、対象260社の回答率は100%。業況判断指数は、景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた数値。

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