松くい虫対策で勉強会 駒ケ根市東伊那区

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勉強会で出席者の質問に答える藤山静雄信大名誉教授(後方)

駒ケ根市と同市東伊那区は12日夜、松くい虫対策の勉強会を東伊那公民館で開いた。害虫駆除用薬剤の空中散布に対する賛成派と反対派が互いに理解を深める目的で開く通算3回目の勉強会。講師で信州大学名誉教授の藤山静雄さん(昆虫生態学)は「対策は害虫に強い抵抗性松の植栽や松以外の樹種転換が望ましい」とし、人的な影響が懸念される薬剤の空中散布には否定的な見解を示した。

松くい虫は、在来種のマツノマダラカミキリが媒介する米国の外来種マツノザイセンチュウが起こす松枯れ病の通称。被害は1905年に長崎県で初確認された。藤山さんは同カミキリを「本来は害虫に強い松のうち、極めて少ない枯れかけた松にだけ産卵する希少な虫だった」とし、「松を枯らすセンチュウと劇的に出合い、爆発的に増えた」と説明した。

その上で「マツノマダラカミキリは厳しい生育条件に耐え抜いたがゆえに、弱った松を見つける能力が高い」と述べ、「人には健康そうに見える松でも、すでにセンチュウが寄生している場合が多い。防除が後手に回って被害が拡大する原因」と指摘。被害の初期段階では、害虫の移動を考慮し一定距離の松を伐採する防衛線づくりや被害木の早期伐倒の徹底を呼び掛けた。

最後に今年7月発表された論文を取り上げ、「空中散布に用いるネオニコチノイド系農薬に含まれる有害な成分が、母体の胎盤を通じ胎児に移動することが分かった」と紹介。「虫を殺す成分が人に無害なわけがない。危険要素は排除すべき」と主張した。

勉強会後、東伊那区の林省史区長は「新たに得た知識がたくさんあった。今後の対策の参考にしたい」と話した。

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