特急「選べず不便」 あずさ停車本数減から半年

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JR東日本が3月16日に実施したダイヤ改正で、中央東線特急「あずさ」の停車本数が諏訪地域の岡谷、下諏訪、上諏訪、富士見の4駅で減少してから半年が経過した。下諏訪商工会議所は会員対象に影響調査を行うなど改正後の実態を把握しようとする動きが出ている。地元の経済や行政の関係者からは「住民生活や観光、経済などへの影響が大きい」との声もあるあずさ減少問題の現状を探った。

■下諏訪駅4本 時間帯も不満

「特急の時間が選べなくなった。かなり不便」。都内の企業に勤め、年1~2回、仕事で下諏訪駅を利用する会社員荒井隆夫さん(58)=埼玉県=はこう話す。「(松本駅-新宿駅間の)スピードアップの目的は分かるが、観光面も考えると改正前のようにあずさが止まった方が良い」と指摘する。

下諏訪駅は停車本数が上下計16本から計4本に激減した。本数減に加えて住民が指摘するのは停車する特急の時間帯だ。同駅停車は上下各2本で、上りが午前6時台と午後5時台、下りが午前10時台と午後11時台。使い勝手の良い時間帯とは言えない。

下諏訪商議所は会員対象の影響調査を8月20日まで実施した。現在集計中で近く結果を公表する見通し。「停車本数を減らして高速化するのではなく、都内での遅延の解消などで高速化するのが筋」と小林秀年会頭。「調査結果を見て町とも連携してどんな手が打てるか考えたい」と話す。

ダイヤ改正で上下各1本が減った上諏訪駅。新宿方面からの下りは午後1時台が停車しなくなった。駅の観光案内所の午後1時台と、近い時間帯の来訪者数に改正前後で目立った変化はないという。観光案内所を運営する諏訪観光協会は「データの数字としては(来訪者が減った状況は)顕在化していない」とする。

都内企業に勤務する30代の男性会社員は仕事で月1回程度あずさを利用する。乗降駅は上諏訪駅か松本駅が多いといい、「松本駅に行く時は時間が短縮されたと感じる。(便利か不便かの感じ方は)利用目的によって違うのではないか」と話した。

■諏訪広域連合 「対応予定なし」

諏訪広域連合などはダイヤ改正前の2月、JR東日本本社(東京)を訪れ、ダイヤ改正見送りなどを求める要請書を提出した。だが、その後、表立った動きは見えない。茅野駅は改正前後で変わらず、全特急が停車するなど諏訪地域でも駅によって事情が異なる側面もある。広域連合は「自治体などの意見を取りまとめて何らかの対応をする予定は今のところない」とする。

観光面では、あずさの停車本数減少を受けて駅と他の公共交通機関の連携強化を模索する動きもある。諏訪観光協会は上諏訪駅と観光スポットの諏訪市立石公園の往復にタクシーで訪ねてもらおうと定額プランを作った。駅を拠点にバス利用者の利便性を高めようと、駅前に路線バス定期券などを販売する「バス総合案内所」も設置した。同協会は「駅の乗降客を増やすための知恵を絞りたい」としている。

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