二葉高映画部「夏休みの歌」 蓼科映画祭

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当時の思い出を語る茅野さん

諏訪二葉高校(諏訪市)の映画部が1957(昭和32)年に制作した8ミリ映画「夏休みの歌」が22日午後0時30分から、茅野市の新星劇場で上映される。第22回小津安二郎記念・蓼科高原映画祭(21~29日)の招待作品で、同校の文化祭や同窓会以外で一般公開されるのは初めて。周囲の人々の協力を得ながら部員が手作りで仕上げた青春映画は、小津監督が蓼科高原に通っていた日本映画の黄金期と重なり、古き良き諏訪を記録した貴重な資料にもなっている。

映画は、鑑賞だけでは飽き足らなくなった映画部員が制作。当時諏訪市内にあった六つの映画館の前売り券を売ってフィルム代を捻出したほか、当時の三協精機製作所に「宣伝する」と持ち掛けて最新の撮影機を借りた。部員の家に疎開経験がある日大芸術学部映画学科4年の片野満さん(後に岩波映画で活躍した演出家)を頼り、諏訪清陵高出身の鎌倉悦男さんや林隆夫さん、宮坂健二さんらに演技指導や撮影の協力を求めた。

映画作りは、高校10回生の茅野富佐子部長と林そしやさんが中心となり、脚本、監督、演出、演技を全て部員で行った。物語は霧ケ峰高原や諏訪湖畔などを舞台に、夏休みを過ごす5人の女学生の友情と奮闘が描かれていて、当時の篠原一雄教諭や地元映画館の関係者も出演している。

57年9月に完成した映画は、同年の二葉祭で披露され、スクリーンを彩る先輩に憧れた女子生徒も多かったという。同窓会役員の発案で2005年の同窓会総会で約半世紀ぶりに上映され、大きな話題を呼んだ。その後、同校100年の歩みを記録したDVD「魂の永久のふるさと」(07年)に収録され、同窓生らに頒布した。

映画作りを発案し、プロデューサーとして資金集めや関係者との交渉を担当した茅野部長は「今までにないことをやろうという衝動に突き動かされていた。みんな一途でした」と述懐。会社経営や子育てなどで信じた道を進んだ卒業後の人生に触れ、「今の若者にもわくわくすることを自由に考え、自分らしく思い切り行動してほしい。(今回の上映で)一石を投じることができれば」と願った。

諏訪二葉高校創立百周年記念事業実行委員長を務めた笠井嘉代子さん(高校12回生)は「あの時代は情熱がみんなを動かし、子どものチャレンジ精神を応援する企業や大人の心意気があった。こんなに輝いている二葉のエネルギーと底力を多くの若い皆さんに見てほしい」と語り、地域の教育文化発展に期待を寄せた。

入場無料。上映前に映画についての紹介がある。上映時間は約40分。定員は先着182席で、早めの来場を呼び掛けている。

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