上伊那産アカマツで経木 プラごみ削減も

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使い方を説明する中村博社長

地元産のアカマツを使い、木を紙のように薄く削って食品の包装に使う「経木」の商品化を目指していた「やまとわ」(伊那市)の中村博社長は24日、来年1月をめどに販売を始めると発表した。今後、販路を開拓し、需要を掘り起こしていきたい考え。地域産材の新たな活用方法として期待されるほか、プラスチックごみの削減にもつながる取り組みとして注目され、市も企業との橋渡しなどを通じて積極的に後押ししていく方針だ。

経木は日本の伝統的な包装材で、肉やおにぎり、菓子などの包装に用いる。森林資源の活用が大きな課題となる中で、中村さんは数年前に白鳥孝市長から商品化について持ち掛けられたことがきっかけで検討を始めた。

上伊那地域に多く植えられているアカマツは伐採の時期を迎えているが、需要がなく、松くい虫の被害も深刻化。中村さんは「先人が大切に育てた木に新たな価値を見いだそう」と経木の生産に乗り出すことを決め、1年ほど前に専用の機械を導入して準備を進めてきた。

アカマツは長さ45センチ、縦横12センチの角材に加工。機械にセットすると厚さ0・18ミリの経木が削り出される。チップや燃料になるようなランクの低い材木や間伐材も利用できるほか、長さが不要なため、伐採した木を短く切って山から容易に運び出せるというメリットもある。

当面、年10万枚を目標に生産する計画で、食品関連の企業や飲食店に売り込みを図るほか、地域のイベントに参加し、市民にも使ってもらえるようPRする。包装材のほか、厚く削った経木をプレスして皿やトレーに加工することも可能とし、今後、地元企業などとも連携しながら経木の新たな可能性も探っていきたい考えだ。

中村さんによると、経木の生産者は全国でも5件ほど。需要に生産が追いついていない状況もある。中村さんは「ブランドをつくるチャンス。アカマツの利用促進につなげ、脱プラスチックへの思いも込めて送り出したい」と力を込めた。

白鳥市長も同日の定例記者会見で「循環型社会の象徴として経木を伊那から発信していきたい」と表明。市としても販路開拓に向けて企業との橋渡しやPRに取り組むとともに、トップセールスを行って積極的に後押ししていく考えを示した。

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