2019年10月1日付

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この頃は買い物のたびに店頭で「ポイントカードはお持ちですか」と尋ねられる。忘れたりすると何だか損をした気分。これからはそんなやりとりがさらに広まりそうだ。きょうから消費税率が変わる▼引き上げ前の駆け込み商戦は以前ほど過熱しなかったが、買い漏れはないかと身辺を見回すのが消費者の自衛策。今回の改定はそれを見透かすように目先を変える施策が抱き合わせだ。買い物時にカードや電子マネーなど現金以外で払うとポイントで還元する制度が購買意欲をくすぐる▼とはいえ手持ち金いらずで買える仕組みは簡便な半面、リスクがある。消費者が支払い能力以上の買い物を重ねたり、小売店が現金不足で資金繰りに窮したりするおそれがある。カードや携帯端末機の自己管理にも強い注意が必要だ。国が推進する意図が見えにくいのも不安である▼ポイントのお得感で市井の心を動かす仕掛けは市場以外にも広がっている。特に健康分野での導入は医療費を抑える切り札のようなもの。自分のために運動し、健康づくり行事に参加するとご褒美がもらえるぜいたくな時代になった▼あらゆることに金銭的な価値が付加されて家計は助かり有り難い。が、何ごとも経済に誘導されるのは味気ない。賢い消費者としてはこの際、必要なものや大切なことを見極める、物を無駄なく使い込む―といった人生や地球規模の「お得」も意識したい。

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