「中学生の自習室」本格実施へ 伊那市

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伊那市教育委員会は、夏休みや春休みなどの長期休業中の中学生を対象にした「中学生の自習室」を本格実施する。各地区公民館を会場に、学習支援や食事の提供を通じて子どもの居場所づくりや学力向上につなげる取り組み。これまで2回の試験実施を踏まえ、市内全体に広げていく考えだ。

今年の春休みに東春近公民館、夏休みに西春近公民館で実施。基本的な運営方法は同じで、午前中に学習し、昼食を食べて帰宅するというスタイル。東春近公民館では3月25、26、28、29日の4日間、西春近公民館では8月5~9日の5日間の日程でそれぞれ行った。

西春近公民館では春富中学校3年生を対象に定員20人で募集し、1~3年生8人から申し込みがあった。元教員2人が学習支援スタッフとして協力し、生徒の質問に答えるなどした。

昼まで学習し、部屋の片付けをした後、希望者に軽食(おにぎりやみそ汁)を提供。食材は地域の人たちから提供を受けた。5日間で延べ29人が参加し、全員が軽食を食べた。

参加した生徒からは「家で勉強するより静かで涼しくて、とても集中できる空間だった。昼食も毎日おいしかった」などの感想が寄せられたという。

市教委は9月24日の市総合教育会議で「2回のパイロット的な取り組みを通して、おおよその形が見えてきた」と報告。「給食で栄養を摂っている生徒がいることは各中学校校長が共通して感じていることであり、塾に行けない生徒への支援が欲しいと願う校長がいる。市の施策が『一人に確かに届く』ものとなるよう粘り強く続けていきたい」と説明した。

これに対し、白鳥孝市長や教育委員からは「貧困による負の連鎖を断ち切ることが必要」「共働きの親にとっても助かるのではないか」などの意見が出され、市内全体に広げていくべきだという認識で一致。支援スタッフや食材の確保、人件費などの予算的な対応を含め、本格実施に向けて取り組んでいくことを確認した。

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