車山肩のニッコウキスゲ ササ刈り効果復活兆し

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昭和30年代の草原植生を目指し、2年連続で秋のササ刈りをした霧ケ峰・車山肩(諏訪市)東側区域で、ニッコウキスゲの花やつぼみが多数出始め、黄色が広がる気配を見せている。作業効果でササの勢いが減退し、地表に太陽光が届くようになって「ニッコウキスゲの生育環境が上向いた」と専門家。夏の高原の代名詞で観光資源でもあり、地元関係者も復活の兆しが出てきたことを喜んでいる。(鮎沢健吾)

ササ刈りは、県や市町、地権者などでつくる霧ケ峰自然環境保全協議会が実施。一昨年、昨年とも9月に、ボランティアを募って約1ヘクタールの区域で刈り取った。

刈り取り区域は、車山肩と富士見台のニッコウキスゲ群落の間にあり、かつては花が広がっていた場所。だが、地表を覆うササ群落が優勢するようになったほか、シカによる花芽の食害が深刻化し、近年は姿を消していた。

花芽の数は昨夏より格段に増えている。モニタリング調査を担当する協議会座長の土田勝義・信大名誉教授は「1年目の作業だけではササに十分なダメージを与えることができなかった。2年続けたことで勢いが弱まり、ニッコウキスゲが出始めてきた」と説明。「ハクサンフウロなど他の植物の種類や数も増えてきている」と証言する。

ササ刈りによる植生回復効果を正確に見極めるため、区域の外周にはシカよけの電気柵を張っており、その効果も大きそうだ。

今年も9月に刈り取りを予定する。土田名誉教授は「かつてのように春の火入れと秋の草刈りを組み合わせて行うのは困難だが、草刈りだけでも継続していけば、いい姿になっていくだろう」。富士見台でドライブインを経営する木川泉さん(63)は「黄色がつながるような光景が広がってほしい」と望む。

今夏は咲き始めが早く、霧ケ峰全体では10日からの1週間が見頃になりそうだ。協議会事務局の県諏訪地方事務所環境課は「大勢の皆さんの協力で目に見える成果が出てうれしい」とした上で、「植生地を人間が踏み荒らしては台無しになる。マナーを守って観賞してください」と呼び掛けている。

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