2019年10月04日付

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コミュニティーの形成をまず連想させる「まちづくり」や「むらづくり」とは違い、「まちおこし」や「むらおこし」を行うときには、起爆剤になるようなものの存在がカギを握るような気がする。要は素材だ▼長谷をトウガラシで真っ赤にしたい、元気にしたい―。そんな願いを込めて取り組んでいるという伊那市長谷中学校2学年の学習発表を聞いていて、最初はそう思った▼同校の入野谷学習は総合的な学習の時間の中で取り組む地域に根差した学習で、学年ごとにテーマを決めている。生徒たちにとっては地域と関わりながら自主的に学びを深める体験の場で、先輩たちの活動を引き継いだ2年生は昨年から、「八房とうがらし」の栽培やラー油の製造・販売に取り組んでいる▼そのラー油。地域の人たちからの応援を得た実践とはいえ、既に2800本も販売したというから驚きだ。古里のために、自分たちに何ができるのかを考えて活動する中で、地域おこしの素材にたどりついたのだろう。6次産業化を目指しているそうで、可能性を感じさせる▼畑を借り、協力してトウガラシ栽培をする生徒たちには「子どもが減って、寂しくなった地域には中学生たちの声が響くだけでうれしい」という声が寄せられているという。「中学生にできる地域おこしとは本当はこういうことなんだと思った」と語る生徒の姿に、入野谷学習の意義を見た気がした。

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