2019年10月06日付

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今年も衣替えの時期がやってきた。残暑が続く中だが、街中では冬用の制服を着た学生の姿も。温暖化の影響からか、近年季節感を喪失気味だが、職場に届いたクールビズ終了の通知に、半ば強制的に秋の到来を実感している▼政府の主導で2005年に始まったクールビズ。導入当初は賛否両論あった。スーツは男の戦闘服。そんな気概を持つ人には難しい要求だったかもしれない。スーツからネクタイだけを取り払った「にわかクールビズ」が急増。珍妙なファッションにも思えたが、今ではすっかり市民権を得たようだ▼衣替えは四季がはっきりした日本ならではの習慣。平安時代の宮中行事に由来するそうだ。一般に広まったのは明治時代以降。10月1日から5月末までを冬服の期間に定め、一斉に衣替えするようになった。集団を重んじる日本人らしい習慣とも言える▼ただ春と秋の存在が希薄になり、四季の移ろいを感じにくくなった近年、杓子定規の衣替えには個人的に抵抗を感じる。マナーとはいえ30度を超える中、背広にネクタイ姿で仕事や会合に臨む姿はいかにも暑苦しい▼「暑ければ脱ぐ、寒ければ着ればいい」。以前、外国語指導助手を務める米国出身の男性が衣替えの習慣に驚き、話していたのを思い出した。個人主義の国らしい意見と聞き流していたが、そんな個々の判断も受け入れる社会の寛容さが必要と感じるようになった。

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