洋画家堀内唯生生誕120年展 長野市で

LINEで送る
Pocket

生誕120年「堀内唯生展」の図録を手に父の姿を懐かしむ長女の増沢直子さん

茅野市出身の洋画家・堀内唯生(本名忠雄、1900~1981年)の生誕120年展(八十二文化財団主催)が12日から、長野市岡田の「ギャラリー82」で開かれる。「絵は売るために描くのではない」という信念を持ち、「1枚でいいから納得のいく絵を描きたい」と取り組んだ57年の画業を振り返る。11月4日まで。

堀内は旧玉川村神之原の生まれ。玉川尋常小学校5年のときに久保田俊彦(島木赤彦)が校長で赴任、高等小2年の担任は松岡弘、図画の教師は画家中川紀元で、「白樺教育」と呼ばれる自由主義的な教育の中で美術の素地も培った。卒業後は農業に従事して家計を助け絵を描き続けた。20歳のとき、上京していた兄が帰郷し、母校の教員になったが、24歳で美術雑誌で見た中川一政の1枚の絵に衝撃を受け翌年、村人の金銭的な援助もあって上京し、住み込みで絵の指導を受けた。

その後は、春陽展に続けて入選したが、空襲を受け故郷に疎開。終戦後は荒廃した都会で2人の子どもを育てるのは困難と、中央の画壇と離れ、故郷のたくみ沢や花々、房総の海を主な画題として描き続けた。

展示作品は油彩、水彩、スケッチなど、個人や美術館所蔵の3~20号の59点が並ぶ。「此の画に依って造形美術の謎が解け始める」などと裏書きされ、友人に贈った「郊外風景」(25年)、木落とし坂を強調した「学校の見える丘」(58年)もある。個展は、永眠する4カ月前に茅野市美術館で開いて以来38年ぶり。

長女の増沢直子さん(75)=下諏訪町=は「戦前の作品も残っていて展示されることになり感謝でいっぱい。純粋な気持ちで絵と向き合った一人の画家の生き方に触れてもらえたら」と話している。

図録は1部税込み1100円。入場無料。問い合わせは同ギャラリー(電話026・224・0511)へ。

おすすめ情報

PAGE TOP