西駒郷あり方協議へ 検討会を県が設置

LINEで送る
Pocket

県は、知的障害者総合援護施設・県西駒郷(駒ケ根市下平)の今後の運営方針などを探る「西駒郷あり方検討会」を設置し、4日に初会合を同施設で開いた。県障害福祉計画や西駒郷基本構想に基づき進めてきた障害者の地域生活移行が一定の成果を挙げる一方、入所者の障害の重度化や高齢化、施設の老朽化などの課題が顕在化してきたことから、県立施設として必要な機能を検討する。4回ほどの議論を経て報告書にまとめ、今年度内に阿部守一知事への提出を目指す。

県健康福祉部によると、施設は知的障害者の自立や生活支援などを目的に1968年に開設。2005年度から県社会福祉事業団が指定管理者として運営している。

田中康夫元知事時代の03年度に西駒郷基本構想を策定し、障害者が希望する地域で暮らせるよう県内各地にグループホームを整備。全国に先駆けて地域生活移行に取り組み、03年度から昨年度までに293人がグループホームや家庭、アパートなどに移行し、入所者数は441人から102人(今年4月1日現在)に減少した。地域移行による通所者はゼロから102人に増加している。

一方で障害が重度の人は地域移行が難しい面もあり、入所者の障害支援程度別では最も重い「6」の人が占める割合は11年度の33%から今年度は54%に上昇。平均年齢も03年度の40・0歳から47・5歳に上がり、40代以上が88%を占めるなど高齢化も進行。25棟ある施設はほとんどが築後45年以上を経過しているほか、入所者の減少などで9棟は利用を停止している。

検討会は県内の医療、福祉、教育関係者や利用者、地元自治体などの12人を委員に委嘱。上智大学総合人間科学部社会福祉学科の大塚晃教授を座長に互選した。

委員からは、入所者の障害の重度化や多様化、高齢化に対し、「専門性を高め、機能強化を図るべき」「入所者がついの住み家として安心して暮らせるような施設整備を」などのほか、「地域移行がうまくいかなかった場合に再度支援できる、セーフティーネットとしての機能をもった地域生活拠点に」などの意見が出された。「民間譲渡や地域分散も選択肢として検討するのか」といった声もあった。

検討会は次回から論点を整理し、具体的な協議に入る。大塚座長は「西駒郷は全国に先んじて地域化を進めてきた施設で、今後の動向も注目される。地域で頑張る人の意思を大切にする、全国のモデルになる方針をまとめたい」と述べた。

おすすめ情報

PAGE TOP