2019年10月16日付

LINEで送る
Pocket

「諏訪大社を抱く守屋山に雨雲がかかると諏訪、伊那谷が大災害になる」と以前、地元の人に教えていただいた。先週末、日本列島を襲った台風19号も懸念通りの動きをたどった。危機が迫る緊迫感に2006年の7月豪雨災害を想起した▼夜半に雨が強まったため、行政は「土砂降りの暗闇で避難はかえって危険」と避難勧告の発令をためらった。刻々と水かさが増す川面をにらむうちに雨脚が弱まり、安どが広がった数時間後、各地で決壊や土砂崩落が相次ぎ、住民の命を奪った▼被災を経験した自治体職員は後に「次は迷わず発令する。命の危機に時間も天候も関係ない」と述懐した。この12日は過去の教訓が生きたようだ。市町村の対応は迅速だった。訓練ではない避難を初めて体験し、恐れを抱いた住民も多かったろう▼まず、激しい雨の中を屋外に飛び出すのは勇気が要る。「家にとどまった方が安全ではないか」「よもやウチは被災しまい」などと葛藤しつつ逃げた│とある人は言った。それに「どこを通り、どこを目指せば本当に安全なのか」と逃げ方にもかなり迷ったそうだ▼身の回りにどのような災害の危険が潜むのか-そんな視点からも、自分が住む地域の地形と特性、歴史に関心を寄せ、知っておくと心強い。発災は風雨の激しい間に限らない。地盤が緩んだ今、そして今後の降雨で危険がさらに増す。足元から気を引き締めたい

おすすめ情報

PAGE TOP