5Gドローン登山者見守り 千畳敷で実証実験

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遭難者の発見に向かうドローン

信州大学と通信大手KDDI(東京都)、駒ケ根市などは16日、次世代通信規格「5G」を活用した山岳遭難対策の実証実験を中央アルプス千畳敷で行った。信州大学総合情報センター長の不破泰教授が進める「登山者見守りシステム」の実用性を検証。5Gの高速大容量の特徴を生かした高精細画像の送信などを行い、システムの有効性を確認した。

5Gによる地域課題の解決を目指す総務省の「5G総合実証実験」の一環。不破教授の研究は同省が今年1月に開催した「5G利活用アイデアコンテスト」で「5G特性活用賞」を受賞した。

不破教授は、山岳遭難や救助活動の増加を受け、遭難現場の迅速な把握や救助隊員の負担軽減を目的にシステムを研究。5Gと無線通信技術LPWAを組み合わせ、登山者の位置情報を把握し遭難者の発見や救助を支援する仕組みを考案した。

長時間移動していない、登山ルートから外れているなど、LPWA小型端末を所持した登山者の異常を確認した際に、小型無人機ドローンが自律飛行で現場へ向かい、5Gを使い高精細4Kカメラや拡声器による遭難者の発見や状況確認などを行う。捜索本部のほか救助隊のタブレット端末に情報を送り、迅速な現場移動や的確な救助に結び付ける。

実験は、千畳敷にあるホテル千畳敷周辺に二つの5G基地局、屋内に無線設備室と山岳救助消防本部を設置。遭難した登山者を検出した場面を想定し、ドローンの自律飛行と現場の確認、本部と救助隊への情報送信による登山者の状況把握などを行った。

実験後、技術面の実証は成功したと総括。実用化に向けた今後の課題として、広範囲をカバーするための山岳地帯への5G基地局設置などの環境整備、飛行時間や悪天候対策などドローンの性能向上、登山者への小型端末貸し出しの仕組みづくりなどが挙げられた。

実験に参加した中央アルプス地区遭難対策協会の隊員らは「救助隊員のリスク軽減につながる試み。雪崩や土石流の際の捜索にも有効だと思う」と今後の進展に期待を寄せた。

不破教授は「技術的には実用化のめどが立った。救助隊員が使ってくれないと意味がないシステム。遭難対や多くの方から意見をもらい、一緒につくり上げていきたい」と話していた。

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