止まらぬ温暖化 社会で一層の省エネ実践を

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進行する地球温暖化に目をそらし、手をこまねいていたら取り返しのつかない事態を引き起こす。これまでに経験したことのないような洪水や干ばつなどの災害が地球規模で頻発するのを目の当たりにして、日本をはじめ世界の国々がようやく「脱炭素社会」に向けて大きな一歩を踏み出すことを決断した。あとは実践あるのみだ。

温暖化対策の新たな国際的な枠組み「パリ協定」が、昨年12月の国連気象変動枠組み条約締約国会議(COP21)で採択された。2020年からの実施を目指し、世界の温室効果ガス排出量を今世紀後半には実質ゼロとするなどの目標を明確に掲げている。

合意に至ったのは温暖化が止まらず、異常気象がこれまで以上に頻発するのではないか―との危機意識が背景にある。気象庁によれば、昨年の世界の年平均気温は平年より0・40度(速報値)高く、統計開始以来、最高だった。

日本も平年より0・63度(同)高く、1898年に統計を取り始めてから4番目に高かった。県内では5月に諏訪、松本など4カ所で月平均気温が最高値を更新し、11月には長野、松本で観測史上最も高い記録となった。12月以降も冬型の気圧配置が長続きせず、気温の高い状態が続いている。南太平洋海域で昨年夏から続く大規模なエルニーニョ現象に加え、進行する温暖化が原因とされている。

パリ協定の採択を受け、日本の温暖化対策も始動する。2030年度の温室効果ガスを13年度比で26%減らす目標を掲げる政府は、今春に具体策を盛り込んだ「地球温暖化対策計画」を策定する。

目標を達成するためには、社会が一丸となって省エネに取り組む必要がある。家庭の照明を白熱電球や蛍光灯から効率のよい発光ダイオード(LED)に切り替えたり、企業が住宅の省エネ対策を進め、電気自動車の普及に力を入れれば、30年度に見込まれる電力需要を17・1%減らせる―とした経済産業省の試算もある。

環境に負荷をかけない社会の構築を地球規模で考え、足元から実践したい。静岡県浜松市では、市が管理する全ての道路照明をLEDに切り替える事業に今年度から取り組んでいる。各地で頻発する自然災害や地球環境の悪化を報じる新聞を読んで、ため息をついていても何も変わらない。

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