検査機製作者の岡本さん訪問 岡谷蚕糸博物館

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自身が手掛けた検査機と久しぶりの再会を果たした岡本勇さん

岡谷市郷田の岡谷蚕糸博物館に2日、同館に展示されている生糸の検査機「セリプレーン巻き取り機」を製作した神奈川県逗子市の岡本勇さん(81)が訪れ、経営していた生糸検査機械製造会社の廃業以来約20年ぶりとなる再会を果たした。検査機は1971年製で、同館によると現存する物は全国でも数えるほど。岡本さんは懐かしそうに機器に触れ、愛情を込めてメンテナンスした。

同検査機は生糸の品質を調べるための装置。ボビンに巻かれた生糸を黒い検査板に一定間隔で巻き付け、暗室の照明装置で照らして糸むらや節などを調べる。国内の生糸検査制度は海外輸出が盛んだった明治時代の1895年から、蚕糸業法が廃止された1998年まで続いたとされ、生糸の格付けや工女の繰糸成績を付ける目的で検査機が使用されていた。

岡本さんは逗子市にあった自身の会社で1960年から、生糸に特化した数種類の検査機を製造。国内外に出荷していたが、生糸検査制度の廃止に伴って需要が減り、廃業を決断した。検査機に触れるのはそれ以来という。

今年、息子の龍彦さん(55)が同館を訪れた際、偶然父親の手掛けた検査機を発見。同館の高林千幸館長に事情を説明したところ、館側の要請もあり、製作者である岡本さんの来館が実現した。

龍彦さんとともに同館を訪れた岡本さんは、久しぶりに対面した検査機に技術者としての心を揺さぶられ、持参した工具で早速 メンテナンス。「使えるぐらいの状態で保存されていてびっくりした。製作者としてうれしく思う」と話し、製糸業の歴史を伝える資料として「末永く使ってもらいたい」と期待していた。

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