2019年11月06日付

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読書は時として森に例えられる。種類も大きさも違う数千本、数万本の木々が立ち並ぶ光景が、本の深くて多様な世界と重なる。書架が幾重にも並んでいる図書館に足を踏み入れると、例えた理由がよく分かる▼身近な図書館にそんな豊かな書籍の森があるにもかかわらず、借りたいと思う本がないことがままある。興味や関心が広がるきっかけがないためで、本棚を何度も往復しては手ぶらのまま帰途に着く。以前に「本を選ぶ時、人は同じ書架にばかり行く傾向がある」と図書館スタッフが言っていた▼下諏訪町立図書館でおととい、町内の小中高校の図書委員による催し「ブックカフェ」があった。企画した児童生徒が来場者を湯茶でもてなした。お薦め本を並べ、ステージで紹介をした。「こんな本はどうですか」。子どもたちからの読書へのいざないである▼より多くの人に新たな本との出合いを提供するのが主な目的だそうだ。取材がてら本の紹介を聞いていて、思わず引き込まれた。帰宅時には今まで目に付いても読む気持ちになれなかった女流ミステリー作家の本を手にしていた▼今年で4回目。毎年数百人が訪れ、読書の行事として定着してきたという。企画のリーダーを務めた下諏訪向陽高校2年の荒岡天樂さん(16)は「今年も多くの人が来てくれた。きっと本を読む楽しさが伝わったのでは」。9日まで全国で「読書週間」が展開中だ。

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