かやぶきのお堂「風月庵」 交流拠点に再生

LINEで送る
Pocket

かやぶき屋根の全面ふき替えが行われるなど区民交流の場として再生されたお堂=富士見町若宮区の風月庵

富士見町若宮区が2017年から、区内にあるかやぶき屋根のお堂「風月庵」で行っていた改修事業が終了し、子どもから高齢者までが集う交流拠点に再生された。かやぶき屋根の全面ふき替えに使うカヤの刈り取りや内部の改装などに区民総参加で取り組んだ。

江戸時代に建てられたと伝わるお堂は木造で床面積は約120平方メートル。半世紀ほど前までは秋に甘酒祭りが開かれ、子ども相撲や青年団の演芸会が行われるなど住民の憩いの場だったが、その後はお年寄りがお堂で念仏を唱える伝統のみが続いていた。

かやぶき屋根の傷みが進んだことから、住民に親しまれ、地域のシンボルでもあるお堂を保存しようと29年ぶりとなる全面ふき替えを計画。かやぶき職人に依頼し17年から屋根を一面ずつふき替えた。必要となるカヤ約2500束(1束直径約20センチ)は区民が町内で刈り取る労力奉仕で準備した。

並行して子どもから高齢者まで多世代が集い憩う場所作りにも着手。床や天井、内壁などの内部、外壁を全面的に改修や補修をした。壁の塗装には子どもたちも参加し、障子の張り替えはお年寄りが長年の経験を生かすなど区民が力を合わせた。物置として使われ荒れ果てていた20畳ほどの広さの部屋は、木のぬくもりがある、集まりなどに利用できるスペースに一新した。

区民に親しまれていたものの、倒木の恐れから昨年伐採されたお堂隣にあったカシワ、区の入り口に立っていたミズメの巨木で、お堂改修委員会が作ったしゃれたテーブルが置かれ、書棚には区民寄贈の本を並べた。冬季利用に暖房も備えた。

子ども育成会や高齢者クラブなど各種団体の利用申し込みが寄せられているといい、前島利夫区長(64)は「お堂が再び区民が集まり、憩う場所になった。世代間交流も図れると思う」と喜んだ。

「区民交流の場再生事業」として県の地域発元気づくり支援金を活用して取り組み、不足分は区民の積立金を充てた。

10日には区民向けのお披露目会を開き、訪れた人が「きれいになったね」と驚いていた。

おすすめ情報

PAGE TOP