2019年11月15日付

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「子どもたちの気持ちに励まされた。頑張らないといけないと、改めて思い知らされた」。箕輪町で果樹園を経営する高田知行さん。台風19号で被害を受けた落果リンゴの販売会を企画・実施した“教え子”の箕輪北小学校3年2組の児童たちの思いは、折れかかった心に立ち直るきっかけを与えてくれたという▼長野県北部に甚大な被害を与えたこの秋の台風。上伊那地方は犠牲者はなかったものの、特にこれから収穫期を迎える農産物の被害は決して小さくはなかった。高田さんが育てるリンゴやブドウも倒木や落果が著しく「気落ちする日々が続いた」(高田さん)という▼そんな状況の中「自分たちにできることは」「販売だけでも手伝えないか」と支援を打診したのが3年2組の児童たち。同校は毎年3年生対象に高田さんの果樹園で栽培学習を行っている。今年も春から摘果作業などを展開したが、一番のお楽しみの収穫はできなかった▼落果リンゴの販売会は児童と保護者らが傷が比較的少ないシナノスイートを袋詰めして実現。会場のベルシャイン伊北店には、噂を聞いた住民らが長い列を作って買い求めた▼高田さんは「これまでは指導する立場だったが、今回は子どもたちから過去にない体験をさせてもらった」と話す。台風被害は大きな不幸に違いない。だが、その中で触れた児童らの心根は何物にも代えがたい財産になっているようだ。

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