2019年11月16日付

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見ているだけでつらい気持ちになる。そんな衝撃的な映像である。児童虐待を防止しようと制作され、動画投稿サイトで公開されたVR(仮想現実)動画である。2018年に横浜市で起きた虐待事件を再現したという▼児童虐待を疑似体験できるというこの動画。子どもの目線で撮られているのが特徴である。登場人物は幼稚園に通う児童と若い両親。児童は大声で怒鳴られたり、たばこを押し付けられたり。最後は洗剤を飲まされる場面で終わる。作り物だと分かっていても思わず目をそむけたくなる▼子どもの視点から見る大人はそれだけで威圧感がある。どれほど怖いか。しかし、そんな深刻な虐待事件は今も続く。福岡県田川市では1歳の男児にエアガンを撃って大けがをさせたとして父親らが逮捕された。男児はその後死亡。日常的な虐待の疑いがある▼こうした虐待事件ではしつけと称して暴力を振るったりするケースがあるが、この事件はもはやしつけとは言い難い。虐待自体を楽しむかのような非道な行為であり、まさに鬼畜の所業と言える▼少子高齢化を受けて「産めよ増やせよ」の大合唱である。その一方で、命を落とす子どもが後を絶たない。そんな現状に、あるテレビのコメンテーターの発言が反響を呼んだ。「産んだ子どもを1人も死なせない責任ある社会をつくらないと安心して子どもを産むことなんてできない」。同感である。

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