諏訪湖の水質観測「順調」 IoT活用し実験

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県水試諏訪支場とNTT東日本が続けている実証実験で諏訪湖に浮かぶ観測器

県水産試験場諏訪支場(下諏訪町)とNTT東日本長野支店(長野市)が諏訪湖上で実施しているIoT(モノのインターネット)を活用した水質の常時観測、データの収集、蓄積の実証実験が順調に進んでいる。同支場が湖上に出て定期的に行っている水質測定と同観測器の数値の差は小さく、「想定に近いデータが得られている」(同支店)という。20日に湖上の観測器などを報道陣に公開した。

観測器は同支場近くの湖岸から約2キロ沖合の湖心部に設置している。水深約1メートルの水温と水中に溶けた酸素量「溶存酸素量」を測定。観測データはNTTの長距離無線通信網(LPWA)を使い、同社諏訪ビル(諏訪市)の受信設備を経てインターネット経由で同支場に送られる。

6月下旬ごろから湖上での調整を始め、10月24日から実証実験を開始。同支場では週2回程度、湖上で水温、溶存酸素を含めた水質調査を行っており、実験開始後はNTTの観測器の測定結果との誤差などを調べ、観測器のデータの正確性などを検証してきた。データについては正確性が見込まれる一方で、常時、水中に設置しているセンサーには藻が付着するなどメンテナンスについての課題が見えてきた。

観測器のデータは、夏場を中心に湖の底層などでみられる溶存酸素量が極端に低下した「貧酸素」の拡大の推測にも役立つと考えられる。貧酸素は2016年7月に諏訪湖で発生した魚類大量死に影響した可能性が指摘されている。

湖上の常時観測は今月末まで続け、蓄積データを今後に生かす。同社にとっては、湖上に観測器を浮かべてほぼリアルタイムでデータを得る初めての試みで、同支店の有田太志担当課長(47)は「諏訪湖での結果を踏まえ、全国の湖沼にも広げていくことも考えられる」と期待を込めた。同支場の降幡充支場長(58)は「湖上に出なくても15分置きに観測データが得られるのは湖の状態を把握する上でメリットが大きい」と話した。

諏訪湖に観測器を浮かべて水質をほぼリアルタイムで把握する実験は、諏訪市や市内の中小企業、信州大学や諏訪湖漁業協同組合などが参加する産学官連携事業も行われている。

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