2019年11月23日付

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作者名は忘れたが、一コマ漫画だったと記憶している。喫茶店とおぼしき場所でテーブルを挟んで会話をするサラリーマン2人。一方がしみじみと言う。「俺、インドに行って人生観が変わったよ。やっぱりサラリーマンが一番だ」▼安定した身分に浸りきったのんきな一言がこっけいでクスリと笑わせる。ただ月々お給料をいただく会社勤め人の意識も変わってきているだろう。〈サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ~〉と植木等さんが歌った高度成長真っ盛りの時から半世紀以上がたった▼当時のヒット曲「ドント節」での植木さんの底抜けに明るい歌声。上昇気流に乗っていた「時代の気分」のようなものを、青島幸男さんの歌詞からも感じ取ることができる。バブル景気崩壊、平成不況を経て、いまは「サラリーマン受難の時代」とも言われている▼新生銀行の「2019年サラリーマンのお小遣い調査」によると、男性会社員のお小遣いは1979年の調査開始以来、過去2番目の低額となった。バブル絶頂期だった90年のピーク時と比較すると、ほぼ半分の水準だ。昼食代にも節約傾向は表われているという▼経済がますます世界規模化し、テクノロジーが人間の能力を凌駕していく時代に、働き方の変容を迫られるのは何もサラリーマンだけではないだろう。真の意味で豊かさが実感でき、「勤労」に感謝できる働き方ができるといいのだが。

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