「蓼科の小津」紹介 北原さん中国の大学で講演

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小津安二郎記念・蓼科高原映画祭顧問で「蓼科日記」刊行会事務局長の北原克彦さん(72)=原村=が、清華大学が初めて開いた小津安二郎セミナー(中国北京市、16~17日)に招待され、「蓼科高原の小津安二郎」と題して講演した。北原さんは長野日報社の取材に応じ、小津監督が蓼科高原を仕事場としたことが「ほとんど認識されていなかった」とし、小津監督の評価が世界的に高まる中で「蓼科に目を向けていただく機会になった」と振り返った。

セミナーは「全日記・小津安二郎」の中国語訳出版に合わせて清華大学が企画した。北原さんに出席を要請したのは映画祭を通じて親交のあった、同大出身の映画学者で日本映画大学特任教授の晏【女尼】(アン・ニ)さん。日本と中国から見る「小津」をテーマに、日本側から晏さんや北原さんら4人、中国側は映画監督や小説家、大学教授ら13人が研究成果を披露した。

北原さんは、1998年に茅野市で始まった映画祭の企画を持ち込み、小津生誕110年の2013年に刊行された「蓼科日記抄」の刊行会事務局長を務めた。講演は英語で行い、小津監督(1903~63年)が54年8月に蓼科を初めて訪れ、晩年の映画の脚本を書いたことを紹介。蓼科での仕事ぶりや心境を蓼科日記の記述に基づいて解説し、「小津の心は蓼科の自然に昇華していった」と結んだ。

北原さんによると、「蓼科の小津」は中国の研究者に「ほとんど認識されていなかった」。参加者たちは「小津の人間像を考えさせてくれた」「蓼科にぜひ行きたい」と強い関心を示したという。

北原さんは、小津作品が中国やフランスなど世界的に高く評価され、研究も盛んになってきた現状を指摘し、「小津は松尾芭蕉と同じ世界的な古典になった。流行や時代、民族に関係なくずっと残るものだという事を実感した」と話した。

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