遠隔医療実証実験 移動診察車を公開 伊那市

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遠隔医療の実証実験に使用するため開発された移動診察車(伊那市提供)

伊那市は26日、移動診察車を使った遠隔医療の実証実験に使用するため開発した車両を公開した。新たに実証実験に参加する医療機器大手のフィリップス・ジャパン(東京)が都内で開いた2020年事業戦略発表会に合わせて披露した。市は12月12日にフィリップスとも連携協定を締結し、本格的に実証実験に取り組んでいく方針だ。

市は今年5月、トヨタ自動車とソフトバンクの共同出資会社「モネ・テクノロジーズ」(東京)と、自動運転社会に向けた次世代モビリティー(移動手段)サービスに関する連携協定を締結。高齢化が進む中山間地域で移動診察車を使った遠隔医療の実証実験を始めると発表した。

公開された車両は、トヨタ・ハイエースの福祉車両を改造したもので、脈拍や血中酸素濃度を測定するパルスオキシメーター、血圧計、心電図モニターなどの医療機器を搭載している。通信用のタブレット端末も備える。

実証実験では、遠隔医療で認められている糖尿病や高血圧症など安定期にある慢性疾患の患者を対象に、移動診察車に看護師を乗せて患者の自宅などを訪問。ビデオ通話システムで医師から指示を受けながら検査や処置を行う。伊那中央病院など市内3医療機関が参加する予定だ。

発表会に同席した白鳥孝市長は、伊那市がIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)など新たな技術を活用して人口減少や少子高齢化に伴う地域課題の解決に官民で取り組んでいることを紹介。「サービスとしてのモビリティー」に着目し、「医師の乗らない移動診察車を構築した」と説明した。

その上で、「将来的には保健や福祉分野との連携も視野に入れつつ、圏域間で水平展開することにより、医師不足や医療機関の偏在などの社会的課題に貢献できるものと考える」と力を込めた。

この日公開された移動診察車は12月12日の協定締結式に合わせて地元でも披露される予定。実証実験は来年度まで2年間の計画で、2021年度の実用化を目指す。

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