2019年12月02日付

LINEで送る
Pocket

核兵器とは。ネット検索してみた。「核分裂や核融合によって膨大なエネルギーを放出する兵器」。つまり、大量破壊、大量殺傷を目的に強大な威力を発するのだ▼胸に刻み付けられる一枚の写真がある。直立不動、はだしで、唇をかみしめながら真っすぐ前を見据える少年。息絶えた幼子を背負っている。原爆投下後の長崎で、米従軍カメラマンの故ジョー・オダネル氏が撮影したという。この「焼き場に立つ少年」をカードに印刷し、「戦争がもたらすもの」とのメッセージを添えて世界に広めたのがフランシスコ・ローマ教皇だ▼2013年の就任から一貫して「核兵器のない世界」を訴えてきた教皇が、11月23~26日に来日した。24日には長崎、広島を訪問し、核兵器廃絶を求めるメッセージを発信した。全世界約13億人のカトリック信者の頂点に立つ教皇の演説は、人々の心にどう響いただろう▼核兵器の開発、製造、保有、使用などを禁じる核兵器禁止条約。発効には50カ国の批准が必要だが、批准したのは30カ国余りにとどまっている。唯一の被爆国であるわが国は批准していない。日本の安全保障には核兵器を含む米国の抑止力の維持が必要であるというのが政府の考えなのだそうだ▼教皇の言葉は重い。核兵器の所有は平和への答えではない。核兵器は私たちを脅威から守ってくれない。真の平和とは武器を持たない平和以外にあり得ない―。

おすすめ情報

PAGE TOP