2019年12月04日付

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道具屋で一荷入りの壺を3円で購入した後、二荷入りで6円の壺に交換してもらい、先に買った一荷入りの壺を買値で引き取ってもらう。代金を求める店主に「さっき3円払ったじゃないか。で、今、一荷入りの壺を3円で引き取ってもらった。現金3円と壺の3円で合わせていくらだい」▼古典落語「壺算」の一場面。早口でまくしたてる客に店主は混乱し、最後には「もう頭がおかしくなりそうだ。この一荷入りの壺も持っていって下さい。頂いた3円もお返ししますから」。これぞ仕掛け人の「思うつぼ」か▼オレオレ詐欺から広まった各種の特殊詐欺は、警察や行政などが対策を講じるも手口が巧妙化し被害が後を絶たない。昨年1年間に県内で確認された特殊詐欺の被害額は3億5830万円。前年から3割も増えた。今年も10月末までの被害額が、すでに2億円を超えたそうだ▼返金、振込、暗証番号などの言葉は危険のサイン。早く手続きしないとなどと危機感をあおる表現も要注意だという。家庭の固定電話は常に留守番電話に設定する、不審に思ったらすぐに家族や知人に相談する―といった基本的な心構えが重要とされる▼金銭をだまし取られた人の8割以上が「自分はだまされない」と考えていたとの県警の統計も。慌ただしく、出費の機会も多い師走は最も特殊詐欺被害が多い月。甘い言葉には近寄らず、油断なく年の瀬を過ごしたい。

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