2019年12月7日付

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満天の星を眺めているとロマンチックな気分に浸れるがそこにも深刻な環境問題がある。宇宙空間を高速で飛び交う人工物の破片、スペースデブリ(宇宙ごみ)が増え続け、宇宙活動の妨げになる―と、除去対策が急務になっている▼宇宙より行くのが難しいと言われる深海にも多くのごみが存在する。国立研究開発法人「海洋研究開発機構」がネット上で公開している「深海デブリデータベース」では、世界で最も深いマリアナ海溝の深さ1万メートル余の海底に沈むポリ袋の映像を見ることができる▼海洋ごみと聞いて、まず思い浮かべるのはプラスチックだろう。大量のプラごみが海洋を漂い、浜辺に打ち上げられ、深海に蓄積する。同機構研究員で生物海洋学者の中嶋亮太さんが、著書「海洋プラスチック汚染」(岩波書店)に、その深刻な実態を書いている▼同著によると、細かく砕けたマイクロプラスチックは特に、その小ささゆえに多くの海洋生物が誤飲し、海の生態系に深刻なダメージを与えている。2050年には海洋中のプラスチック量が魚の量を超える―との予測も紹介されていて、暗たんたる気分になった▼地質区分で「人新世」という新しい段階に入ったとの考え方がある。人間活動によって、地球規模で環境変化をもたらした時代と定義されるという。持続可能な社会実現のために、小さな個人に何ができるだろうかと考えをめぐらせる。

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