諏訪中央病院 虚血性心疾患の新検査方法開発

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虚血性心疾患の新しい検査方法を解説する諏訪中央病院の若林循環器内科部長

諏訪中央病院は16日、茅野市玉川の同病院で会見を開き、昭和伊南総合病院(駒ケ根市)との共同研究で虚血性心疾患の新しい検査方法「SPR」を開発したと発表した。心臓カテーテル検査に用いる血管拡張薬の代わりに生理食塩水を使用するもので、検査時間の短縮やコストの削減、患者の負担軽減につながる。国内外の学会で発表し、注目を集めているという。

心臓カテーテル検査では、心臓の筋肉に血液を送る冠動脈の狭窄を評価する際、狭窄部の手前と先の圧力を測定し、治療を判断する。ATP製剤(血管拡張薬)を使うFFRが標準的な方法だが、共同研究では点滴など医療行為に広く使う生理食塩水がATP製剤の代わりとなることを発見した。

2016年、諏訪中央病院循環器内科の藤森義治医師(63)が生理食塩水注入時の圧力波形に着目。同病院が昭和伊南総合病院に持ち掛けて医師8人と臨床工学技士1人による共同研究を始め、300例弱の検査を通じてFFRとの高い相関や正確性を確認した。

SPRは症状が比較的安定している段階の検査に用いる。FFRで5分かかる検査時間を20秒に短縮できるほか、ATP製剤不使用によるコスト削減、不快感といった副作用の回避、繰り返しの施行可能といった利点がある。

諏訪中央病院によると、論文は日本循環器学会や米国心臓病学会、欧州心臓病学会で発表し、欧州心臓病学会誌から「新しい検査法」と評価された。地方の病院が自ら新しい検査方法を開発し、海外の学会で口頭発表するのは「極めて珍しい」。若手医師の研修病院として教育や研究に熱心で、多くの医師がいる同病院の環境を理由に挙げた。

会見した諏訪中央病院循環器内科の若林禎正部長(39)は「SPRは冠動脈狭窄の評価として正確性が高く、患者の肉体的、精神的な負担も少ない。学術的な意味が検証され、新しい検査方法として広がれば」と期待した。SPRは現在、複数の医療機関で試験が行われ、国内外に広がる可能性があるという。

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