LPWA水位計測システム開発進む 諏理大

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LPWA技術を活用した水位計測システムについて説明する小林特任教授

公立諏訪東京理科大学(茅野市豊平)の小林誠司特任教授を中心とする研究チームは、LPWA(ローパワーワイドエリア)無線技術を使った河川等の水位計測システムの開発を進めている。遠隔地から水位の変動をリアルタイムで確認できるシステムで、すでに市内5カ所で実証実験を開始。河川増水などによる避難勧告や避難指示に必要な水位予測にも活用できるデータ収集が可能で、水害による人的被害をなくす防災技術として実用化に期待が集まる。

同大学が中心となり、LPWAを活用して茅野市の課題を産学公で解決する技術を創出する「スワリカブランド」として開発している技術。当初、土石流の危険を察知する「土石流センサー」の開発を先行していたが、死者を出した台風19号の水害を踏まえ、同時並行で研究していた水位計測システムの開発を繰り上げて進めたという。

システムは同市内に事業所がある三社電機イースタンとNISSHAサイミックス、エルシーブイ、ロジカル・ワークスと共同開発した。送信基盤とLPWAアンテナ、電池ボックスなどを収めた縦23センチ、横25センチ、奥行き17センチのボックスと圧力センサーからなり、圧力センサーで計測した水圧で水位を算出する仕組み。GPSを搭載し、水位と正確な時間、位置情報を3分間隔で送信。単一電池8本で約2カ月駆動するという。

LPWAを用いた水位計は、携帯電話回線や超音波センサーなどを用いる従来システムと比べ、山岳地帯への設置が可能でコンセント不要、製造コストが安く、設置も簡単なのがメリットという。

現在、茅野市運動公園や東急リゾートタウン、尖石縄文考古館敷地内水路など5カ所に計6台を設置して実証実験を行っている。今後は茅野市の要望で上川流域を中心とする25カ所に設置予定。将来的には大学研究用として市街地か12キロと15キロの山岳ゾーンにも複数台設置する考え。計測データは随時、Webサイト(https://river.suwarika.com/)で公開している。

小林特任教授は「今後も省電力化や防水化などの改良を重ね、精度の高いシステムにしていきたい」と話す。小越澄雄学長は「水害を防ぐのは簡単にはできないが、水害による死者はなくせる」と期待を寄せている。

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